摩擦圧接のメリットとは
異材接合もできる
溶融接合である溶接は溶融金属で互いを接着しますが、これは金属材料によっては接合できない場合もあるので決して万能の技術ではありません。
ですが摩擦圧接は固相接合なので、溶接では無理な材質の結合でも可能となるケースが多く、さまざまなシーンで活躍するでしょう。
溶接だとアルミニウムと銅を接合することはできない、これは工場に勤務していらっしゃる方の間では常識となっていますが、溶接ではなく摩擦圧接ならば不可能なことではなく、むしろ得意な作業となります。
このように他の技術では実現できなかった異材接合も難なくこなしてくれるかもしれないのが摩擦圧接の長所なのです。
全ての金属材料を接合できるわけではありませんが、この技術によって可能性が大きく広がることは誰にも否めませんし、おかげで大助かりだという分野も決して少なくはないようです。
異材接合で困ったことになったのなら、摩擦圧接に詳しい人に相談してみると悩みが解決するかもしれません。
生産性が良好
おおまかな作業手順はすでに説明していますからだいたい理解してもらえていると思いますが、摩擦圧接には無駄が少ないので作業効率、 生産性はかなり良い部類になるというのもメリットとして挙げてもよいでしょう。 接合に熱は付き物ですが、発熱するのが接合する場所であるため最大限その熱を利用することができる、つまり無駄が無いのです。 作業の流れも摩擦させてそのまま一気に圧力をかけて接合させるので、あんまり時間がかからないのもお得感が満載でしょう。 金属材料をふたつセットするための所要時間はいくらかかかるでしょうが、作業にかかる時間は本当に短時間なのです。 加工を始めるための準備や加工完了してからのお片付けは慣れるまでは多少のもたつきがありますが、それ以外の点ではとってもスピーディーなので生産性は抜群だと言ってよいでしょう。 設備さえ整っていれば量産だって簡単です。
高い信頼性
接合に使われる物は金属材料そのものなので、イレギュラーが発生しにくくて高い信頼性を誇るのも摩擦圧接の特徴になります。 溶加材を使用する接合技術だとそちらに問題があれば上手にひっつかないことも考えられますが、母材だけで接合する技術なので正しい工程に沿って作業すればほぼ確実に完璧な製品が生産できるのです。 適切な回転数や圧力を機械に設定するだけでいい、というのもとても簡単です。 もしも金属材料自体が不良品だったら上手く接合しませんが、それは他の技術を使っても同じことなので追求しても仕方ありません。 ですがそれ以外の理由で完成品の品質が下がることはほとんどありませんので、信頼性は高い方になるでしょう。 製品にムラが少ない、ということも言えますし、同品質の製品を量産するのにも向いているのが摩擦圧接の長所なのです。